【コミカライズ】愛しのあの方と死に別れて千年 ~今日も私は悪役令嬢を演じます~〈1〉
私の心は既に卑しく荒んでいる。心は荒野のように荒れ果て、水は枯渇し、一滴の血も流れていない。
けれど、彼の不遇な死を見るのだけはもう嫌だった。
嫌われても、罵られても、彼が他の女性を愛しても、もう私の心には響かない。けれど死だけは駄目なのだ。彼の死だけは、何度繰り返しても耐えられないのだ。
だから私は焦っていた。
ちょうど千年。あの日彼と死に別れてから、ちょうど……きっかり。
なぜ、何の因果なのか。私はこんなことは望んでいない。今まで一度だって、このようなことはなかったのに……。
「アメリア、聞いているのか」
たしなめるようなその声に、私はハッと顔を上げた。私としたことがあまりの内容に思考を飛ばしてしまったようだ。
私の前には、仕事机に両肘を付き、眉間に深い皺を寄せるお父様の姿。
「お父様、そのお話、本当に事実なのでございますか?」
私はなるべく平静を装う。本当は今にも叫び出したい気持ちだが、この私、アメリアがそのようなことをするはずがない。
私は震えそうになる右手を左手で押さえ、お父様の様子をうかがう。
するとお父様は、ううむと難しそうに唸った。
「事実だ。私とて信じられん。まさかお前に縁談などと……しかも相手はウィンチェスター侯爵のご嫡男、ファルマス伯爵。アメリアお前、ファルマス伯と親しい間柄だったのか?」
「まさか。私が殿方と親しくなるなどあり得ませんわ。それはお父様が一番よく知っていらっしゃるはず」
けれど、彼の不遇な死を見るのだけはもう嫌だった。
嫌われても、罵られても、彼が他の女性を愛しても、もう私の心には響かない。けれど死だけは駄目なのだ。彼の死だけは、何度繰り返しても耐えられないのだ。
だから私は焦っていた。
ちょうど千年。あの日彼と死に別れてから、ちょうど……きっかり。
なぜ、何の因果なのか。私はこんなことは望んでいない。今まで一度だって、このようなことはなかったのに……。
「アメリア、聞いているのか」
たしなめるようなその声に、私はハッと顔を上げた。私としたことがあまりの内容に思考を飛ばしてしまったようだ。
私の前には、仕事机に両肘を付き、眉間に深い皺を寄せるお父様の姿。
「お父様、そのお話、本当に事実なのでございますか?」
私はなるべく平静を装う。本当は今にも叫び出したい気持ちだが、この私、アメリアがそのようなことをするはずがない。
私は震えそうになる右手を左手で押さえ、お父様の様子をうかがう。
するとお父様は、ううむと難しそうに唸った。
「事実だ。私とて信じられん。まさかお前に縁談などと……しかも相手はウィンチェスター侯爵のご嫡男、ファルマス伯爵。アメリアお前、ファルマス伯と親しい間柄だったのか?」
「まさか。私が殿方と親しくなるなどあり得ませんわ。それはお父様が一番よく知っていらっしゃるはず」