理想を描く世界で君と
〜拓馬side〜
俺から逃げ去った日向の方を見る。

「可愛すぎかよ」

隠そうとしていた頬の赤みは耳にも移っていて隠しきれていない。

この時間の廊下は人が少ない。

俺はそのまま壁際によってズルズルとしゃがみ込んだ。

綺麗な虹を見た時。

静樹がバカやった時。

珍しく先生の親父ギャグが面白かった時。

最近、何かあるたびに日向の顔を思い出す。

日向に見せたい。

こんなことがあったんだって言いたい。
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