理想を描く世界で君と
そう言って拓馬は私の手を取った。

そしてずんずん歩き出す。

私は顔が赤くなるのを感じた。

でも拓馬の耳もほのかに赤くなっているのを見て私は拓馬の横に並んだ。

かわいい。

私の顔から微笑みが漏れる。

「赤くなってるよ」

私は空いた方の手で拓馬の耳を指さして指摘した。

「いやっ…日向が言うなよ、お前だって」

みるみる赤くなる顔でこっちを見る拓馬を見ていたら恥ずかしさが移ってしまった。
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