理想を描く世界で君と
「ほら、行くぞ」

拓馬が私を引っ張っていく。

さっきよりも握る手が優しく、でも強くなった気がした。



「どうだったの、デート!」

翌朝教室で待ち構えていた里香が詰め寄ってくる。

「えっと…あの、…」

なんとなく恥ずかしくて言えない。

「んー、なんかあったなー?何があった!」

「手を、繋いだ」

「えー!いいねぇ。それでそれで?」

「来週末、映画行くことになった」

「早いねぇ」
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