理想を描く世界で君と
私はカバンからノートを取りだす。

「はいこれ、今週のノート」

「ごめんねいつも」

拓馬はいつも、申し訳なさそうに受け取る。

「どう?」

「うーん、前よりはよくないかも」

「病院は?」

「行ったよ。ただの風邪って言われて、薬もらったけど」

そう話す拓馬はだいぶ弱っているように見えた。

体調面だけじゃなくて、正体のわからない体調不良に不安になっているようだった。

私は床に座っていたところから立ち上がって、拓馬の頭を抱きしめた。
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