理想を描く世界で君と
この世界の扱いに慣れてきた私はいつものようにあっちが避けるように願う。

今までそれでみんな避けてくれてきた。

それなのに。

彼は避けなかった。

直前で私が傍に避けてぶつかることはなかったけど、こんなことは初めてだった。

「あ、ごめん」

「ごめん」

彼はどことなく驚いたような顔をして過ぎていった。

そのまますれ違った彼の後ろ姿を見つめる。
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