理想を描く世界で君と
それから会うたびに話しかけようとしてはやめてきた。

それでもやっぱりこの世界でただ1人、私の思った通りにならない彼に興味があった。



放課後の夕陽がさす廊下。

いつかと同じように拓馬が前から歩いてくる。

「あのさ!松木拓馬くんだよね?」

拓馬が立ち止まってこっちを怪訝そうに見る。

それから顔に嫌悪感が滲んだ。

「そうだけど、何」

「少し、話があるの。ちょっとついてきてほしい」
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