妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる

コーディネート



○次の日の放課後


教室の入り口に孤森の姿が。

西村はスクールバッグを持って駆け寄る。


西村「琥太郎、ありがとう」

狐森「いえ」

西村「行こうか、気になってるお店があるの」

狐森「はい」


ついた場所は古着屋さん。


西村「真剣に選んでよ?」

孤森「こっちのセリフです。」


店内はビンテージな雰囲気と古着がひしめき合っている。

2人は別々に服を見て行く。


店内から2階に上がる階段があり、本当に互いが選んだ服を知らぬままカゴを交換して試着室に入った。



西村「着替えた?」

孤森「はい」

西村「せーの」

西村の合図でカーテンを開けて出てくる2人。



狐森が選んだ西村の服。

黒のプリーツスカートに、黒の大きめなナイロンジャケット、インナーのTシャツは古着らしくクリーム色と赤のリンガーTシャツ。


西村が選んだ狐森の服。

大きめのデニムに、茶色の大きめレザージャケット、インナーは白のシャツと茶色の柄があるネクタイ。


西村「え、琥太郎めっちゃいい!
めっちゃ似合ってるよ!」

西村が褒めるとやはり、現れた耳。

それを見て、微笑む西村。

狐森「ありがとうございます」


西村「ねぇ、私は?」

そう言って周り、スカートをふわりとさせた。

孤森「似合ってます。かわいいです。」

西村は顔を赤らめ、驚いた。


かわいいなんて言葉が狐森から聞けると思っていなかったからだ。

だけど相変わらずの無表情で、その言葉の持つ複数の意味の中のどれなのか、西村にはわからなかった。
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