妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
ナポリタン
西村「ねぇ、このままいつもの喫茶店行こ」
狐森「はい」
○喫茶店
出入り口の扉は真ん中に綺麗なガラスが縦に並んでいる。
その扉を開けると、カウンターと窓際にテーブル席が3つある。
木の温もりを感じられる、レトロな雰囲気のこの喫茶店が2人の行きつけの場所だ。
2人は窓側のテーブル席に向かい合って座った。
狐森「ナポリタンとオムライスひとつずつお願いします」
店員『かしこまりました』
西村「なんか制服じゃないだけで、ちょっとドキドキするね」
孤森「あ、確かに。ナポリタン飛ばないように気をつけてください」
孤森の目線の先は、西村が着ているクリーム色のTシャツ。
西村が伝えたかったものは違った。
唇に力を入れた。
西村「ありがとう。
制服じゃないだけで…デートみたいじゃない?」
少し俯き気味でそう言った。
狐森は耳を出して、西村を見つめている。
というより、フリーズしている。
店員『お待たせしました。ナポリタンです』
西村「あ、はい」
店員『こちらが、オムライスです
以上でよろしかったですか?』
西村「はい、ありがとうございます」
店員『ごゆっくりどうぞ』
西村はチラリと狐森を見るけど、フリーズしたまま。
西村「美味しそうだね!食べよ!」
狐森「…」
西村「いただきます」
1人手を合わせる。
西村がフォークを手にしたとき
狐森「デートだと思っていいんですか?」