妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
曖昧
狐森「あぁ、先輩のこと見つけて向かってる間にあの女子達の不満を浮かべてたからですかね。笑」
○階段を下ってる狐森
狐森「なんなんだよ、あいつら
先輩に傷つけて、好きな人が先輩を好きだったからか?
そりゃ、そんなやつが先輩に勝てるわけないだろ。
てか、許さない。
なんの権利があって先輩と会ってるんだよ。
俺なんてもうしばらく会ってないのに!
おんなじ校舎にいるってだけで幸せ感じてんのにあいつら、マジで」
ボソボソ小声でいいながら、スピードを上げて西村の元へ向かう。
しかし、こんなことは西村本人には絶対言えない。
○現在
西村「そんなことに体力使わなくていいのに」
西村は無意識のうちに狐森の頭を撫でた。
西村「あ、ごめん」
咄嗟に離し、行き場のなくなる西村の手。
狐森「…いや、大丈夫です。
むしろ、先輩は怒らないんですか?」
西村「間違った情報に踊らされてるのは彼女たちだし、疲れちゃうじゃん」
狐森「でも、先輩はそれを理由に溜め込んでる気がします。
たまには愚痴も吐き出さないと」
西村は狐森のその言葉が嬉しくて涙を流した。
西村「じゃあ、琥太郎が聞いてくれる?」
狐森「もちろんですよ」
西村「誰かも知らない人の名前を並べられてその人達と私は付き合ってるんだって。」
涙は止まらない。
俯きながら話す西村。
西村「それから、お金で釣ってるとか、お金持ちっぽいから近寄りがたいって言われたこともあった。
お金持ちは一般的なイメージで私に近寄りがたいって。だから、それから入学してすぐに同じ学年で仲良くしてくれる人はいなかった。
だから、喋らない静かな人になったの。
でも、2年生になったときなんでも話せる人に再会した。」
西村は狐森の目を見た。
西村「だから、嘘もイメージも流せるようになっていったけど、その人の気持ちがわからない」
狐森「…僕は先輩の話が好きですし、一緒に居ると楽しいです。」
西村は狐森から視線を外して少し笑いながら言った。
西村「やっぱり、わからないや」
そんな西村を見つめる狐森。
狐森が直接的な言葉を避けたのも西村と一条、それから西村と自分の関係が分からなかったからだ。
狐森(だけど、このままわからないままでいたくない)
狐森「あの、先輩…」