妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
そのままではいられない
狐森「文化祭が終わったら、僕とデートしてください」
その言葉に目を見開いて、狐森を見つめる。
西村は知っている。
"デート"
狐森にとってこの言葉の意味も重さを。
西村「デートを私と?」
狐森「はい」
西村は瞬きすれば涙が溢れ出しそうだった。
西村「うん、琥太郎とデートしたいです。」
狐森の尻尾はいつの間にかなくなっていて、代わりに耳が現れた。
それに笑顔を見せる西村。
目尻を下げたと同時に傷がある頬と逆の頬に涙が流れた。
狐森は西村の頬に手を当てて涙を拭った。
西村「ふふ。笑 嬉し涙」
狐森「わかってますよ」
狐森は西村の頬に手を当てたまま。
西村「琥太郎の耳はなんで?」
狐森「嬉しいから…ですよ」
頬に当てていた手を離しそうになったとき、西村は狐森の手に自分の手を重ねた。
西村「なにが、嬉しいの?」