妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
簡単な話しじゃない
狐森「わかってますよね?先輩」
西村「琥太郎の言葉と声で聞きたいの」
狐森は深呼吸した後、傷に当たらないように反対側の頬にも手を添えた。
そして、視線を合わせて
狐森「琥珀さんとデートできるのがすごく嬉しいです」
今までにない距離に互いがいて、どうしたらどうなるのか。
2人はわからないふりをして、狐森は西村の頬から手を離した。
狐森「文化祭、先輩のクラスは何するんですか?」
西村「んーと、クレープ屋さん」
そんな話でこのぎこちなく照れくさい空気を誤魔化した。
○放課後
狐森が階段を下り下校しようと廊下を歩いていたとき、前から男女2人が歩いてきた。
それは一条と西村で、楽しそうにひとつのノートを2人で覗く姿が絵になっていた。
さっきの保健室で不安なんてなくなったはずだったのに、狐森は虚無感を感じてそばにあった教室に隠れた。
入り口で、立ったまま俯く。
また、尻尾が現れる。
だけど、虚無感と尻尾はさっきの西村の言葉を思い出しすぐになくなった。
○少し前の保健室
西村「琥太郎とデートしたいです。」
西村「ふふ。笑 嬉し涙」