妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる

The tansansui


準備に取り掛かる。

西村「あ、それはもう少し感覚を空けてもらって」

幕が降りる舞台で、装飾を急ぐ。

西村「私、照明のところに最終確認行ってきますね」


舞台から舞台裏へ向かおうとしたとき

一条「待って、琥珀ちゃん」

呼び止められた方を見ると、楽器がセッティングされた前で、円陣を組んでいるメンバーたち。

円陣には1人分のスペースが空いていて

一条「一緒に円陣組むよ」

メンバー達はとても輝いた笑顔をしていた。


それがとても嬉しくて西村は涙目になりながら、駆け寄ってその輪に入った。


一条「The tansansui!最高に澄んだ青春にしようぜ!」

『いぇい!!』





司会『続きましては軽音部から3年生の生徒で結成されたThe tansansuiの演奏です」


The tansansuiの名前が出た瞬間に歓声が上がる。

去年、1年生だった西村の同級生や去年は2年生だった一条らの同級生。

1年経ってもThe tansansuiは彼ら彼女らの中から消え去ることはなかったということを表す。

ペンライトがカラフルに輝く。

幕が上がって、さらに盛り上がる会場。

ステージに立つThe tansansuiを見て、西村は手で口を押さえた。

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