妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
3
瞳
体育館を出て、屋上へ。
狐森「先輩」
青空に白い雲が浮かぶ。
屋上の真ん中で、向かい合って立つ2人の髪が風によって靡く。
狐森は視線を少し下にして、話し始めた。
狐森「僕はずっと言葉足らずで、先輩にばっかり伝えてもらって」
○喫茶店
西村「私はデートだと思ってる…いつも」
西村「私は琥太郎のことが好きだから」
○現在
狐森「でも、自分がどれだけ先輩のことを考えていて、先輩のことで一喜一憂して、嫉妬したりして、それから」
狐森は目線を上げて、目を合わせた。
狐森「自分がどれだけ先輩が好きなのか、気づきました。」
西村の瞳が動いた。
狐森「僕は琥珀先輩のことが好きです。
付き合ってください。」
狐森は西村の瞳を見つめたまま。
西村「私も琥太郎が好き」
微笑んだ西村は
西村「よろしくお願いします」
それから満面の笑みでそう言った。
狐森の耳はずっと出たままだったけど、西村の言葉に少し動いた。
狐森「やった」
目を細めて笑う狐森。