あの道を、貴方と。
「すごいな、こんな難しいのを一瞬で作ったのか?」

「いや、そんな難しくないよ」

「うん。そうだね」

「ちょ、主人様までそんな事言わないでくださいよ・・・」

いや、これはしょうがないんじゃない?

「でも、これで千代ちゃんが暗号づくりが得意ってわかったね。うん。暗号はこの旅の一番の懸念事項だったけどこれで解決!めでたしめでたし!」

うわ、そう言うノリで言われるとなんかわたしが暗号作成&解読のために連れてこられたみたいに聞こえるんだけど。別に違うって否定してもいいかな?

「ところでさ、二人とも頭巾つけっぱで暑くないの?どうせ任務で取るんだし、外したら?」

突然綱吉さんに言われて「「え?」」とわたしと新の声が重なった。

「いや、確かにそうですけど・・・」

「いいじゃん!私、千夜ちゃんの顔気になるし」

そっちが本音か‼︎結構もっともな建前で一瞬「確かに」って思ったけど今の本音で全部ぶっ飛んだわ‼︎

「ねぇ、おねがーい・・・まぁ、どうしても嫌ならなら強制しないけど・・・」

・・・しゅん、とした顔で言われるとなんかこっちが悪いことしたみたいじゃん。しょうがない。ここは一肌脱いでやろうじゃないの。

「分かりました。頭巾、取りますよ」

「ほんとっ⁉︎やった!」

さっきの悲しそうな顔から一転、めちゃくちゃ嬉しそうな顔をした綱吉さんに騙された、と唇を薄く噛んでしまう。

「千夜さんが取るなら俺もとるよ」

新が仕方がなさそうに後ろで結ばれた頭巾に手をかける。

「じゃあ、せーので二人一斉にとってね!行くよ、せーの!」

しゅる、と顔を包んでいたずきんをとって初めて新の顔を見る。新もわたしの顔を見る。

そして、二人一緒に、

「ええーーーーー⁉︎」

思いっきり叫んだ。
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