あの道を、貴方と。
「お兄ちゃん!もう迎えがきてます!」
「そんなことわかってる!千夜!」
「待ってって言ってるでしょ・・・よし、できた!」
「千夜さん、今回の旅に必要な荷物です。他にも色々入れておきました・・・どうか、お兄ちゃんをよろしくお願いします」
「ん。絶対にこの任務、成功させるから。安心して」
そんな感じで涼ちゃんとのお別れを終わらせたら新・・・芭蕉と合流して出発だ。
「先生。行ってらっしゃい」
「あぁ、其角も精進しなさい」
「はい」
(其角って確か、芭蕉の一番弟子だよね?忠臣蔵との逸話が残ってる人。うん。残っている絵の通り、坊主だね。それにちょっと小太りだし)
わたしがそんな感じで評価をしているうちに芭蕉はどんどん別れの挨拶を済ましていく。わたしは知り合いは一人もいないから後ろで待機。
「それでは、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「みんなも体に気をつけてくださいね。それではいきましょうか。曾良」
「は、はい」
いつものよりも数段低い声に慣れるのは・・・まだまだ先かな?
転生四日目。わたし、空は[曾良]となって芭蕉と一緒に奥州へ向かった。