あの道を、貴方と。
玖
「千夜!主人様から手紙来た!」
「ホント⁉︎」
転生から十四日目。只今わたし達は黒羽藩の城代家老浄坊寺の館にいる。ここの館の主も忍者で根来衆の一人出そう。新曰く、ここまでが自分たちの仲間のいる最北地点で、ここからは仲間がいない状態になるらしい。
だから綱吉さんからの第一報の手紙が来るまではここで待機するんだそうで。わたし達は近くの寺に行きつつ、結構のんびりとしていた。
「で、なんて?」
「えっと・・・わかんねぇ」
あ、そうだ。暗号だったんだった。
「見せて見せて!」
「分かってる。ほら」
新が暗号の書いた紙をくれる。どれどれ・・・
壱肆壱伍漆陸伍弍参伍陸陸壱参弍肆壱肆伍肆肆陸漆陸参漆肆参伍伍陸参陸壱弍弍陸弍壱壱弍壱参壱肆参参漆肆伍弍漆壱壱弍参
おぉ、これは見事なほどに漢字!ごめん、全くわからない!壱は分かるよ。一でしょ?それ以外全くわからない!
「これ、それぞれなんて読むの?」
「え?そこからか?まぁ、いいけどよ」
彼は新しい紙にそれぞれの数字を簡単に書いてくれた。
壱→ 一
弍→ ニ
参→ 三
肆→ 四
伍→ 五
陸→ 六
漆→ 七
ほうほう・・・えっと、そう考えると・・・
「解き方はわかった」
「解き方[は?]どういうことだ?」
わたしの言い回しに新はわからないように首を傾げる。
「いや、答えを求めるのが結構めんどくさいから・・・」
「そうなのか?なら俺に説明すると同時に解くのはどうだ?」
「うん。そうするつもり。新、ちょっと紙貸して」
新に紙をもらって書いたのは。
「またいろは歌か?」
「そう。で、これに数字を振るの。今回の場合だど最高数字が七十だからこっちの数字の振り方」
壱弍参肆伍陸漆
壱 いろはにほへと
弍 ちりぬるをわか
参 よたれそつねな
肆 らむうゐのおく
伍 やまけふこえて
陸 あさきゆめみし
漆 ゑいもせすん
「えっと・・・最初は[壱肆]だから縦に壱って書いてある[いろはにほへと]の行の四番目の[に]」
「!なるほど。なら次は[壱伍]だから・・・[ほ]か!」
「そうそう。で、次は・・・」
仕組みがわかったら解くのは新の方が早かった。やっぱりいろは歌が頭に染み付いているからかな?
「えっと、そのまま読むと[にほんまつみはるにふおんなうこきありさいちようなのかいぬ]。文章になるように濁点とかをつけたら[にほんまつみはるにふおんなうごきありさいちょうなのかいぬ]になる!」
「そうだね。ってか、最後の犬って何?」
「あぁ、主人様が俺たちの手紙を受け取ったぜ、っていうこと」
「じゃあ、二本松と三春っていうのは?」
「岩代にある藩の名前だ。二本松藩と三春藩」
「なんか・・・すごく縁起の良さそうな名前だね」
「まぁ、確かにな・・・」
岩代って確か・・・福島の左側の方だったよね?
「そこの藩の動きが怪しいってこと?」
「そうみたいだな。」
「最長七日っていうのは?」
「泊まれる期間が七日が限界だってことだ。多分、それ以上だと怪しまれるからだろ」
「え⁉︎ってことは、七日で詳しく調べて、っていうこと?」
「あぁ、結構急足で調査をしないと間に合わないな。まぁ、そこが山場なんだろ。それ以外の藩は特に怪しいところはない、ってことだ」
「ほぉ、なるほど・・・」
「この情報を踏まえて、旅の日程と行く場所をちょっと変えるぞ」
「了解、です!具体的には?」
「えっと・・・白河の関を超えたらこっちをぐるっと回って猪苗代湖で何泊かする予定だったが・・・須賀川の方へ行く。そんでそこで七泊。ここで二本松と三春の謀反について詳しく調べるぞ」
「ん。わかった」
「ここにはこれからの動きとかの打ち合わせもしたいから・・・十一日まで泊まる。それまでに具体的な作戦内容を話し合わないとな」
「そうだね。とりあえず、この紙を処分しないと」
わたしが指指したのは暗号を解くときに使った紙。
「そうだな。これで暗号の解き方を気づいたら一巻の終わりだ・・・そういえば、なんで千夜はいろは歌を毎回書いているんだ?」
普通なら、覚えているだろ?という言葉にわたしはゆるく頭を振る。
「わたしの時代だといろは歌で覚えないからわからないんだよね・・・学校、あ、未来の寺子屋のことね、でいろは歌は習ったから書けるけど、頭の中ですぐに思い浮かべれるか、って言われるとできないんだよね」
「へぇ、千夜の時代だと、どんな風に覚えるんだ?」
「えっと、あいうえお、かきくけこ、ってかんじ」
わたしはせっかくだし、って思って処分する予定の紙に簡易あいうえお表を書いてみる。
「へぇ・・・なんでこんな並び順なんだ?」
「たしか・・・あいうえおが基本の文字、つまり母音で、それ以降の文字は子音っていって、口の形?が横列が一緒なんだよ。こう、あ、か、さ、たって」
「あ、か、さ、い、き、し・・・あぁ、なるほど・・・すごいな」
「まぁ、あとローマ字とかの関係もあるけど説明するってなるとめっちゃめんどくさいし、それ以上の詳しい起源は知らないけど」
「いや、これはわかりやすいな。それに・・・」
「それに?」
「いや、いい。なんでもない。そうだ、後でこの表、別の紙に書いておいてくれないか?他の文字もさっきと同じように口の形が一緒なのか確かめたい」
「え?いいけど・・・」
「じゃ、これ燃やしてくる」
そういってさっきまで使っていた紙をヒラヒラさせながら新はどっかいってしまった。
(別にあいうえお表書くのはいいけど、そんなに口の形一緒なのか確かめたいの・・・?)
新って凝り性なのかな?って思ってしまった。
「ホント⁉︎」
転生から十四日目。只今わたし達は黒羽藩の城代家老浄坊寺の館にいる。ここの館の主も忍者で根来衆の一人出そう。新曰く、ここまでが自分たちの仲間のいる最北地点で、ここからは仲間がいない状態になるらしい。
だから綱吉さんからの第一報の手紙が来るまではここで待機するんだそうで。わたし達は近くの寺に行きつつ、結構のんびりとしていた。
「で、なんて?」
「えっと・・・わかんねぇ」
あ、そうだ。暗号だったんだった。
「見せて見せて!」
「分かってる。ほら」
新が暗号の書いた紙をくれる。どれどれ・・・
壱肆壱伍漆陸伍弍参伍陸陸壱参弍肆壱肆伍肆肆陸漆陸参漆肆参伍伍陸参陸壱弍弍陸弍壱壱弍壱参壱肆参参漆肆伍弍漆壱壱弍参
おぉ、これは見事なほどに漢字!ごめん、全くわからない!壱は分かるよ。一でしょ?それ以外全くわからない!
「これ、それぞれなんて読むの?」
「え?そこからか?まぁ、いいけどよ」
彼は新しい紙にそれぞれの数字を簡単に書いてくれた。
壱→ 一
弍→ ニ
参→ 三
肆→ 四
伍→ 五
陸→ 六
漆→ 七
ほうほう・・・えっと、そう考えると・・・
「解き方はわかった」
「解き方[は?]どういうことだ?」
わたしの言い回しに新はわからないように首を傾げる。
「いや、答えを求めるのが結構めんどくさいから・・・」
「そうなのか?なら俺に説明すると同時に解くのはどうだ?」
「うん。そうするつもり。新、ちょっと紙貸して」
新に紙をもらって書いたのは。
「またいろは歌か?」
「そう。で、これに数字を振るの。今回の場合だど最高数字が七十だからこっちの数字の振り方」
壱弍参肆伍陸漆
壱 いろはにほへと
弍 ちりぬるをわか
参 よたれそつねな
肆 らむうゐのおく
伍 やまけふこえて
陸 あさきゆめみし
漆 ゑいもせすん
「えっと・・・最初は[壱肆]だから縦に壱って書いてある[いろはにほへと]の行の四番目の[に]」
「!なるほど。なら次は[壱伍]だから・・・[ほ]か!」
「そうそう。で、次は・・・」
仕組みがわかったら解くのは新の方が早かった。やっぱりいろは歌が頭に染み付いているからかな?
「えっと、そのまま読むと[にほんまつみはるにふおんなうこきありさいちようなのかいぬ]。文章になるように濁点とかをつけたら[にほんまつみはるにふおんなうごきありさいちょうなのかいぬ]になる!」
「そうだね。ってか、最後の犬って何?」
「あぁ、主人様が俺たちの手紙を受け取ったぜ、っていうこと」
「じゃあ、二本松と三春っていうのは?」
「岩代にある藩の名前だ。二本松藩と三春藩」
「なんか・・・すごく縁起の良さそうな名前だね」
「まぁ、確かにな・・・」
岩代って確か・・・福島の左側の方だったよね?
「そこの藩の動きが怪しいってこと?」
「そうみたいだな。」
「最長七日っていうのは?」
「泊まれる期間が七日が限界だってことだ。多分、それ以上だと怪しまれるからだろ」
「え⁉︎ってことは、七日で詳しく調べて、っていうこと?」
「あぁ、結構急足で調査をしないと間に合わないな。まぁ、そこが山場なんだろ。それ以外の藩は特に怪しいところはない、ってことだ」
「ほぉ、なるほど・・・」
「この情報を踏まえて、旅の日程と行く場所をちょっと変えるぞ」
「了解、です!具体的には?」
「えっと・・・白河の関を超えたらこっちをぐるっと回って猪苗代湖で何泊かする予定だったが・・・須賀川の方へ行く。そんでそこで七泊。ここで二本松と三春の謀反について詳しく調べるぞ」
「ん。わかった」
「ここにはこれからの動きとかの打ち合わせもしたいから・・・十一日まで泊まる。それまでに具体的な作戦内容を話し合わないとな」
「そうだね。とりあえず、この紙を処分しないと」
わたしが指指したのは暗号を解くときに使った紙。
「そうだな。これで暗号の解き方を気づいたら一巻の終わりだ・・・そういえば、なんで千夜はいろは歌を毎回書いているんだ?」
普通なら、覚えているだろ?という言葉にわたしはゆるく頭を振る。
「わたしの時代だといろは歌で覚えないからわからないんだよね・・・学校、あ、未来の寺子屋のことね、でいろは歌は習ったから書けるけど、頭の中ですぐに思い浮かべれるか、って言われるとできないんだよね」
「へぇ、千夜の時代だと、どんな風に覚えるんだ?」
「えっと、あいうえお、かきくけこ、ってかんじ」
わたしはせっかくだし、って思って処分する予定の紙に簡易あいうえお表を書いてみる。
「へぇ・・・なんでこんな並び順なんだ?」
「たしか・・・あいうえおが基本の文字、つまり母音で、それ以降の文字は子音っていって、口の形?が横列が一緒なんだよ。こう、あ、か、さ、たって」
「あ、か、さ、い、き、し・・・あぁ、なるほど・・・すごいな」
「まぁ、あとローマ字とかの関係もあるけど説明するってなるとめっちゃめんどくさいし、それ以上の詳しい起源は知らないけど」
「いや、これはわかりやすいな。それに・・・」
「それに?」
「いや、いい。なんでもない。そうだ、後でこの表、別の紙に書いておいてくれないか?他の文字もさっきと同じように口の形が一緒なのか確かめたい」
「え?いいけど・・・」
「じゃ、これ燃やしてくる」
そういってさっきまで使っていた紙をヒラヒラさせながら新はどっかいってしまった。
(別にあいうえお表書くのはいいけど、そんなに口の形一緒なのか確かめたいの・・・?)
新って凝り性なのかな?って思ってしまった。