あの道を、貴方と。
(とりあえず北側って言ってたから北に行って、そこから南に向かっていったら大丈夫かな?)
ってことでまずは一番北へ移動。一番北側に着いたらその中で東から西、って感じで徐々に南へ移動していく。
(ふむふむ。北の方は木が多いね。侵入しやすそう。ってか、もうわたし達侵入しちゃってるし・・・あるかな、って思ってたけど、武器庫がないなぁ・・・新のほうにあるかもしれないからない、ってまだ確定じゃないけど。後で新に聞かないと。あ、ここが本丸かな?侵入方法は・・・木の上だし『天蓋破り』からの『下り蜘』で行きますか)
『天蓋破り』っていうのは瓦と土台の板を外して屋根裏に侵入する方法のこと。作業が少なくて済むから楽なんだよね・・・
(よ、っと・・・よし、侵入完了!)
屋根裏に侵入できたわたしはぐるっと辺りを見渡して梁を探す。
(えっと・・・あった!ここに縄を結びつけて・・・よし)
引っ張っても取れないことを確認したら近くの天井板を外して天井裏から部屋の中に飛び降りる。あ、これが『下り蜘』ね。別に飛び降りてもできないことはないけどやっぱり音がしないのはこっちだもんねぇ・・・
(ここは・・・部屋じゃないね。廊下?)
右を向くと部屋。そっと襖を開けると誰もいなかった。なんの部屋だろ?とりあえず記憶っっと。
そんな調子で廊下を歩きつつ部屋があったら片っ端から開けて大きさや内装を記憶していく。書くのは後回しだ。
(どうせ曾良のタイミングで今までの旅の整理と称して時間が作れるだろうし。もし、無かったとしても夜にやればいっか。ってか・・・もっとピリピリした雰囲気かな、って思ってたけど・・・)
流石にのほほんとしすぎるような気がする。
(こう、謀反を起こそうとしているならもっと警戒するだろうし・・・まるで)
元々謀反なんか起こす気がないように。
(でも、綱吉さんの情報だしね・・・デマじゃないんだろうけど・・・)
長考しそうになるのを頭を振ってやめる。こういうのは後で新と一緒に考えよう。うん。
その後も探索は順調に進んだ。たまぁに人が寝ているところに入っちゃったけど気づかれてないから大丈夫!・・・多分。