あの道を、貴方と。
わたしが江戸の街に着いたのはもう少しで太陽が沈むぐらいの時間。
休憩無しでずっと歩き続けていたからか、少し足が痛い。まぁ、訓練して、休憩なしで本を探して、タイムスリっっぷした後もほとんど歩いたし、当たり前かも。
「中川さん、ありがとうございました。ここからは一人で大丈夫です」
わたしが言うと中川さんは控えめに微笑んだ。うん、イケメンだから絵になるね。
「それはよかった。それでは」
彼はそう言ってきた道を帰り始める。わたしはその後ろ姿を見送った後、おおむろに歩き始める。
(一人で大丈夫って言ったけど、どうしよう・・・雨降ってないし、どっかの路端で寝よっかな)
しばらく歩いているといい漢字の場所を見つけた。ちょっと寒いけど、これぐらいなら我慢できるし、近くにゴミとかも・・・ないね。うん、ここに決めた!
(訓練中だったから、忍者道具持ったままだったんだよね。よかった〜)
わたしは近くの壁にもたれかかる。座ってるともしものことがあった時に急な動作が取れないからね。
(お・・・おやすみ・・・)
転生一日目。わたしは歩いて、状況整理して、歩いて、寝た・・・だけ。