あの道を、貴方と。
「・・・っ、新・・・!」
少しぼやけた視界を必死に無視して最後まで読み切った。読めば読むほど新に言いたいことが増えていくのに。
新の好きな本って何だったんだろうとか、京都のいざこざって何があったのとか。それに、四人の近況は書かれてるのになんで自分のことは全く書いてないの、とか。
新は言いたいことを全部書き切ったかもしれないけど、わたしはもう、新に伝える方法はないんだよ?なんでよ・・・
もう、この感情をどう表現すればいいのか分からずに、わたしは只、手紙を握りしめていた。