あの道を、貴方と。
「・・・涼ちゃんと林のこと、確認してみようかな」
そう、意識を切り替えられたのはしばらく経ってから。
(えっと・・・伊賀者の家系図を見ればいいかな?確かこの辺・・・)
倒れていた本の山から目的のを引っ張り出してその場に広げる。扱いが雑だって?別に減るものじゃないんだからいい!
「えっと、涼、涼・・・あった!」
さっきの一覧よりも比較的早く見つけられた。さて、涼のお相手は・・・
「林太郎・・・うわ、マジで結婚したじゃん!うわぁ、新、結局許したのね・・・ってあれ?」
改めて見ると涼のお相手とその子供のことはきちんと書かれているが新の場合、新自身の名前と結婚したと示す線が横に引っ張ってあるものの、相手の名前が虫食いで読めない。
「え?ウソ、結構気になったのに。でも、忍者と結婚するならやっぱり相手も忍者だよね?なら、泉?どうなんだろ?あ、芥川流の家系図もあったよね」
ちょっと探して見つけた家系図を出すと泉の横に書かれていたのは新ではなく、菊だった。その流れで桜も見てみたけどわたしが知らない人だった。
(これだけ、か・・・お相手さん、気になったのに・・・ちぇ)
ブスッとほおを膨らませてとりあえず伊賀流と芥川流の家系図を戻す。ついでにわたしがタイムスリップした原因になった大量の本たちも片付ける。
片付けていくうちにさっきのごちゃごちゃだった感情も落ち着いて、綺麗に片付く頃には気持ちを切り替えることに成功した。
(うん。新に怒られないように、これからはもっと、忍者の任務、頑張ろう。うん。そうしよう・・・!)
「おい!空!いつまで・・・ってなんだその格好?」
あまりに遅いのを咎めにお父さんが来たのは、わたしがタイムスリップしてから二時間後のことだった。