キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャは意外と普通に話を続けてきた王様に驚いた。わけのわからないことを言うなこの無礼者!とか言って追い出されることも予想していた。せっかく弁明の機会があるならばと、サーシャは素直に口を開いた。
「あの信じられないかもしれないんですけど、私、基本的に何も食べません」
「本当に?」
「誓って本当です。追放死刑されたらイヤなので嘘はつきません」
フルフェイスくちばしのおかげで全く表情がない王様だが、びっくりした声色だけは伝わった。
「食べなくて生きていけるのか?」
「この通り生きてます。むしろみんなが食べているものを口に入れると、吐き出してしまうんです。あ、紙だけはちょっと食べます」
「紙?どんな紙だ?紙なら何でもいいのか?」