キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
長い足でスタスタ歩いて、王様はサーシャの隣に座る。もっと遠くに座って欲しい。大きくて圧迫感すごい。レオナルド並みに大きい人はなかなかいないと思っていたが、王様はレオナルド並みに大きい。
虚無の黒丸瞳がまっすぐサーシャを見つめた。
「褒美をって言ってたけど口実で、本当はお前を勧誘するつもりで今日は呼んだんだ」
「勧誘?」
「これから騎士団が行う特別任務に参加して欲しい」
鳥のくちばしフルフェイス王様は、騎士団の特別任務とやらにサーシャをご所望らしい。サーシャは意味がわからず、こてんと首を傾げる。
「見ての通りこの国は狭くて、畑での生産は追いついてない。食糧難だ。
そこに現れたサーシャ、お前は奇跡の存在に近い。魔力だけでいくらでも食事が出せるなんて、まさに神業。
まさしく、今この国が欲しかった力だ」