キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

神妙な話の間に急に呼び出されたサーシャに団員たちからの視線が刺さる。


サーシャが口をあけて固まっていると、ルテに背を押された。一歩前に踏み出せば、レオナルドが大きな手を差し出していた。


「サーシャ、おいで」


レオナルドに手を引かれた勢いで、肩の上にひょいと座らされる。背の高いレオナルドの肩の上はさらに見晴らしがいい。


「レオさん、高い!」

「サーシャ小さいから、こうしないとみんな見えないだろ」


レオの肩に座らされ、あっという間に団長のいる壇上に上げられてしまった。


団長の隣で、レオナルドの肩の上に乗っているとサーシャには騎士団全員の顔がよく見えた。


こんな頂きから人を見下ろすことが、サーシャの人生にあるなんて思わなかった。


「紹介しよう。新団員、神業のサーシャだ」


みんなの顔から期待がにじみ出ているのが、良く伝わってきた。平凡な村娘として生きてきたサーシャだ。人前に立つ人が見る景色に混じる興奮と期待と重圧を、サーシャは初めて知った。


「前の任務で世話になった奴も多いと思うが、こいつ一人で全員の食事を用意できる。まさしく神業だぜ?」

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