キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

目に涙が溜まっているサーシャが必死に前から援軍が来ることを願った。木の葉の間から現れたのは。


大蜘蛛だった。


「で、ですよねー!!助け来るわけないよね!ゴッホゴホゴホ!!」


淡い夢を見たサーシャは前を塞がれて立ち止まり、上がる息と共におかしな咳が止まらない。


前に大蜘蛛、後ろに大蜘蛛、さらに喉には毒気である。


もはやこれまでとでも言うようにサーシャはその場に両膝をついて、両手を組み合わせて祈りの姿勢をとった。


「もうこうなれば祈るしかない」


ジリジリ寄って来る大蜘蛛に向かってサーシャは両目をぎゅっと瞑って祈った。


「なんてね!」


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