キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

歓声を受けるレオナルドは、たしかに誰しも認める最強な男だ。サーシャは副団長最強の噂が、本当であったことを目の当たりにした。

だが、紙を主食としてきたサーシャから見ても大蜘蛛を瞬殺とか、人間業ではない。


「俺、カッコよかった?」

「え、あ……」


化け物かと思いましたとは言えず、サーシャは無難に頷いておく。サーシャだって紙食べて魔法使うところを見られて化け物かと思いましたとは言われたくない。何でもぺろっと言ってしまうサーシャだが、人を傷つけることは言わない。


サーシャとレオナルドは意外と化け物仲間だったと判明した。


「褒められた。やったね」


レオナルドが青い瞳を細くして優しく笑い、背中にくっついたサーシャの頭をぶ厚い手で撫でる。妙に視線が熱くて、レオナルドは何度でもサーシャの頭を撫でてくる。


いちいち恋人みたいな振る舞いだ。

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