キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

薄紅色の長い髪をぐちゃぐちゃになるまで振り乱して走って来たサーシャは、ついに人を見つけた。特徴的な文様が縫いこまれた黒のローブを羽織ったその人は、背が高くて、手足が長くて


顔から「鳥のくちばし」が生えている。


多分、

おそらく、

ぎりぎり人間。


鳥人間が口を開く。


「お前、さっき何やった?パンどこから出したんだ?」


サーシャが見慣れない生物に一歩後ろに引きかけた。だが、黒のローブを羽織い、丸くて大きなくちばしをつけた鳥人間の彼は人の言葉を話した。


言葉が通じる。助けてって言わなくては。しかし、毒気に侵されてもう限界のサーシャの意識レベルが一気に落ちる。


「死にたくない」

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