キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!


「よし、がんがん行くか。次はカルラスープ50人分」

「そんなに作ったことないですよ?」

「団長、俺たちカルラスープをみんなに配ってきますね!」

「頼んだ。特別任務開始まであと1ヶ月だ。どんどん鍛えていくぞ。やれサーシャ」


食堂に呼ばれた団員たちがスープを運び出していく横で、団長がさらにサーシャにカルラスープを要求する。口をへの字に曲げたサーシャだが、また祈り始めるとどんどんスープが出現する。


「まどろっこしいな。まとめてどーんと鍋で出せよ」

「それなら、それ用のレシピをください」

「あーそういうことか。一人分のレシピだから一人分ずつしか出せないんだな。ルテ、レシピを100人分に書き換えてサーシャに食わせろ」

「わかったわ」


ルテがレシピを100人分に書き換えると、そのレシピを食べたサーシャがどんと巨大な鍋でスープを出現させた。材料も、つくる過程も、何もなく、忽然と出現するスープたちにルテはため息が出る。


必要なのは魔力とレシピだけ。出現したカトラリー類も食事が済むと消えてしまう。なんて効率がいい。


(レシピによる再現魔法……それってつまり、レシピさえあれば他の魔法も再現できる、ということじゃないのかしら?)

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