キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「パンとスープ一緒に出してみろ!」
「あ、それはできません。一個ずつで」
サーシャが団長にNOを突き付けて首を振る。この魔法にも制限はある。出せる料理は一種類ずつ、順番にだ。ルテはできないこともしっかりメモを取る。
(二つの魔法を一度に再現はできないっと……)
「二種類を一度には無理だな。わかった。じゃあ、次はスープ100人分を二回連続で!」
「え”?!」
「終わったらもう200人分!こうなったら国民全員にカルラスープを配るぞ!」
「もう訓練じゃなくて楽しんでますよね!」
「カルラスープ復活祭!」
だんだんと顔色に疲れが見えてきたサーシャに、調子に乗った団長はどんどん課題を乗せていく。団長はサーシャが現時点でどれくらいのお食事を提供できるのかを見定めるつもりだった。
団長の無茶な要求に食らいつくサーシャを横目にルテは羽ペンを動かして、考察を続けた。
(例えば、レオの操る狂暴な風魔法のレシピがあれば、サーシャはその技を再現できるってこと?)