キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
「がんばれサーシャ!お前ならまだやれる!」
「団長うるさいです黙っててください集中できません」
ルテはサーシャの食糧大量生産訓練を見ながら、サーシャの魔法の特異性を検討を進めた。
(レシピを食べ貯めて、もしすべての魔法を網羅できてしまったら……)
サーシャが祈り続ける横で団長ががんばれ!と無駄な声かけに勤しんでいる。そういう団長の無駄に熱いところがルテは好きだ。
(サーシャは私の癒し魔法で回復して、団長の盾魔法で鉄壁を築き、レオの風魔法で攻撃ができる存在になることができる?)
祈り続けるサーシャが、急にふっと意識を失った。ここが限界のようだ。
(それって最強というか……もはや化け物じゃないの?)
ふらっと後ろに倒れたサーシャが床に激突する前に、長い腕がサーシャを受け取めた。いまだに一人お付き合いの勘違いに気づかない自称彼氏、副団長レオナルド様のお帰りだ。
本日もますます眩しい顔面を晒している。
「団長、サーシャぶっ倒れる前に補給させないと、俺が全食いされる」