キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

「今日はお前来るって言ってたからわざと倒れるまでやらせたんだよ。腰砕けにされて来い」

「俺が倒れてもいいって算段かよ。楽しみー」

「まずはサーシャの底を知らないとな。魔力満腹からスープ千人分でダウンってとこか」

「サーシャ凄すぎだろ」


羽より軽いサーシャをひょいとお姫様抱っこしたレオナルドが、俺の恋人すごいだろとでも言いたげにケラケラ笑った。


「何でお前が自慢げなんだ?」


団長に返事なく、サーシャを抱っこしてゴキゲンに退場していくレオナルドの後ろ姿を見送ったルテは、レオナルドがサーシャに執着する理由がちょっとだけ見えた気がした。


(化け物じみてるレオにとって、サーシャって近しい香りがしたのかもしれないわね)


二人が惹かれ合ってしまうのは、もはや運命かもしれないなんて、ルテは研究者としては柄にもないことを思ってしまった。

それくらい、サーシャの再現魔法は超越的だ。



だが、この食料大量生産訓練により、サーシャは受難の日々に突入することとなった。

< 146 / 378 >

この作品をシェア

pagetop