キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
大きな口を大きく広げて嬉しそうにレオナルドが笑った。薄紅色のサーシャの髪をぐしゃぐしゃになるまで撫でまわす。
「まだ休憩していくか?俺、ちょっと先行くけど大丈夫?ルテ呼ぶか?」
わざわざ腰を屈めて、まだベッドでくってりしているサーシャに顔を寄せてレオナルドが問いかける。優しく労ってもらうとまたキュン鳴きがやかましくなった。
「ひとりで、大丈夫です」
「そうか?じゃあ、まだゆっくりしとけ。また夜に来るから」
レオナルドは額に挨拶のキスを残して治療室を去っていった。
サーシャはキスされた額がカッと熱くなる。
(額への挨拶キッスは、お食事キッスに含まれますか?!)
レオナルドは扉が閉まる直前まで隙間からサーシャに手を振ってくれる。また胸を鳴く。もう胸鳴きがうるさい。
サーシャはベッドにひとり突っ伏して胸元の服を握りしめた。
(ああ、キツい……誰にも本気にならないレオさんのこと好きって認めちゃうの、嫌だ嫌だ嫌だ)