キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャが服飾室の扉を叩こうとすると、中から金髪を高くポニーテールに括った勝気そうな女性が現れた。
「セレナさんですか?」
「レオ様親衛隊隊長のセレナよ!レオ様からお噂はかねがね。お話する機会が貰えて嬉しい!」
「どんな噂でしょうか……」
「あっつ熱のやつよ!さあ入って入って座って!くわしく聞かせてちょうだい!」
あいつチョロいとか言われているのかと思うと居たたまれないサーシャであるが、セレナは翡翠色の目を見開いて興味爛々だ。
騎士団ローブがあちこちに置かれた雑多な服飾室の中にサーシャを連れ込む。
作業台の上に置かれた服を装飾するための道具を雑に横に押しのけて作ったスペースに、セレナはサーシャを案内した。作業机の前に置いた木の椅子にサーシャを座らせる。
「ずっと遠目にはしつこく見てたんだけどサーシャちゃんって近くで見るともっと可愛い!」