キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャの隣に丸椅子を持ってきて座ったセレナは勢いよく話し出した。サーシャは薄紅色の瞳をぱちくりさせてこんなに元気な人だったのかと驚いた。セレナの口が留まるところを知らない。
「庇護欲そそる素直な薄紅色の瞳、薄紅色の綺麗なさらさら長い髪、小さな身体で可愛い唇!まさしくレオ様とお似合いだわ!レオ様とお食事キッスしてるんでしょ?!どんな感じなのく わ し く!」
セレナは胸の前で両手を握り締めて肩を揺らし、ポニーテールを揺らして嬉しそうにキュンキュン早口でまくし立てた。目の前で話しているのに遠くと交信しているような様子のセレナにサーシャは面くらう。
「レオさんの親衛隊は、レオさんが好きなんですよね?」
「もちろん!心から!」
「私が……レオさんとキスしてるとか聞いて嫉妬しないんですか?」
サーシャは前から親衛隊に抱いていた疑問をぺろっと素直に口にする。
「嫉妬?私たちはそんな概念にいないのよ、サーシャちゃん」