キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
セレナは翡翠の瞳を爛々と輝かせて、威勢よく立ち上がった。セレナは背が高く、レオナルドと並ぶと見栄えが良さそうだ。
「私たちはレオ様の愛する人を愛してこその親衛隊!!レオ様のしたいことを後押しして、レオ様の幸せを何より尊ぶ!」
ぽかんと口を開けたままのサーシャを置き去りに、セレナは長い手を使って大いに身振り手振りで我が親衛隊の意思を表現した。
「レオ様からの見返りなど一切求めない!
存在を認識してもらわなくても構わない!
愛して欲しいなんて微塵もない!
むしろ解釈違い!
でも彼に幸せでいて欲しい!それが我らが親衛隊の心意気よ!」
「す、すごい……」
サーシャは呆気に取られて、思わず乾いた拍手をしてしまった。あまりに割り切った愛の形にサーシャの理解が及ばない。
親衛隊はレオナルドが夜のお相手を欲すならばご用意するが、何の見返りも求めない上に、むしろ愛して欲しくなんてない強い信念があるという。
「まあ夜のお相手予定表は、サーシャちゃんが来てすっかり撤廃されたんだけど!」