キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
セレナが堂々と宣言するが、サーシャは自分の考えに忙しくて耳を素通りした。
(私は……身の程知らずにも、同じようにレオさんから愛されたいと願ってる。全然、セレナさんとは違うんだ)
サーシャはセレナを見上げて、戸惑う心を素直に表現した。
「私、親衛隊の皆さんの境地には立てそうにないです」
「サーシャちゃん、貴女はこっちに来なくていい」
セレナはポニーテールを揺らして、にこりと誇らしげに笑った。
「むしろ、幸せそうにするレオ様を私たちにたくさんたくさん見せて欲しいの。
心から応援するわ、レオ様の初ガチ恋を。
俺様レオ様がガチ恋童貞だなんて解釈間違いないわ!」
「何言ってるかほとんどわからないんですけど!」
「いいの!いいのよ、サーシャちゃん!あなたはそのすっとぼけたままでレオ様を魅了するところが最高可愛いんだから!ああ、いいわ高まる!」
セレナはサーシャと話しているようで、常に己の世界にいるのだとサーシャは理解し始めた。
(確かに、ルテさんの言うように独特な距離感、世界観?)