キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
再び席についたセレナは猛烈にレオナルドの魅力について語り始めた。サーシャも容姿語りについては議論が白熱した。
だが、セレナの話はどこまで行ってもレオナルドからの愛を求める風はなく、第三者としてレオナルドを見守る立場にいることに悦があるらしい。
しばらく爆裂に口を開き続けたセレナはふと思い出して身振り手振りを収めた。
「あ、サーシャちゃんにこれを渡すんだった!」
セレナがテーブルの上にサーシャ用の騎士団黒ローブとくちばしマスクを置いた。
「どうぞ、サーシャちゃん用の騎士団ローブ。遅くなってごめんね!」
「あ!それ楽しみにしてたんです!ありがとうございます!」
騎士団のみんなとお揃いのローブである。サーシャは騎士団の正式な仲間の証が嬉しくて、パッと顔を晴れやかにした。
「羽織って見せて?丈を調節するわ」
セレナがサーシャの両肩に両手を置いて、バンバンバンと三回叩くと、いつの間にかサーシャの身体にローブが羽織っている。
サーシャはきょろきょろ身体を見回して、魔法に驚いた。
「セレナさんの魔法ですか?」
「着せ替え魔法よ、私にぴったり!」
セレナが黒ローブを羽織ったサーシャの傍らに膝をついて裾の長さを直し始める。
「セレナさんは服職人なんですね」
「ええ、国民全員にこの黒ローブとくちばしマスクを作ってる。この文様を入れるのが大変で時間かかるの!」