キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

セレナが糸の先っぽを歯で切り落として、作業を完了させる。手早く完璧にサーシャのローブは整った。


「もしも、団長の盾魔法がなくなった時ってのは、つまり?」


立ち上がると、上背があるセレナがサーシャに問いかける。サーシャも意図するところはすぐにわかった。


「団長が、死んだとき、ですか」

「正解!その時がきても、文様の力だけで、王城の中の毒気を除去できるように備えてるってこと!」


たった1人の盾魔法使いの団長が死ねば、もうカルラ国は逃げ場がない。


そんな危機を想定して、カルラ国は細々と生き抜いているのだとサーシャは日々知っていく。

カルラ国には常に、深刻な闇のギリギリにいるのだ。


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