キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
立ち上がったセレナがサーシャにフードを被せて、くちばしマスクを装着させ、上から下まで最終確認をする。
「よっし、完璧可愛い!私って天才!」
サーシャが無事に騎士団仕様の鳥人間に進化したのを確認して、セレナはポニーテールを揺らして満足いっぱいに笑った。
「お仕事完了!サーシャちゃん、またレオ様とのお食事キッスについて教えてよ?!く わ し く!」
サーシャの頭をフードの上からぐりぐり撫でたセレナから、元気いっぱい挨拶を受けたサーシャは服飾室を後にした。
廊下を歩きながら、サーシャはよくわかった。
「レオさんとの距離感術を学びに来たけど……セレナさんは達観し過ぎてて、何の参考にもならない」
サーシャに親衛隊の才能はないということが浮き彫りになった貴重な時間だった。
サーシャの恋と親衛隊の「好き」は、別物なのだ。