キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
王様とエンカウント
休憩も大事!という団長の指示により、サーシャの食事生産訓練は連休中だ。
一日ぼんやり過ごしたサーシャは、夜になって王城内の庭を散歩し、元気な畑が見渡せるベンチに両膝を抱えて座っていた。
瞬く星空の下で、今日も畑は元気そうだ。本日は訓練がお休みのため、補給もお休みだ。
ホッとしたサーシャだが、夜が明ければまた300人分の食事生産訓練をして、その後またレオナルドとキスするのだ。
「はぁあーーーーつらい。フラれたのにお食事キッスは続く逃れられないこの状況……!」
サーシャの大ため息で畑の作物たちが枯れるのではと思うくらい陰鬱なため息だった。えっちっちなキスをレオナルドにおねだりして無残にフラれた自分を思い出してはサーシャはゲンナリする。
(いや、しかし、わかってたけど、見事に失恋。ちょっと気に入られてるかもとかいう自負が痛すぎるな私)
失恋に愕然とするサーシャの隣にどんと大きな気配が座った。この大きさ熱さはレオナルドかなとサーシャが隣を見上げる。
だが、隣に座ったのはこの国一番の個性的な格好をした人だった。