キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!


「王様って恋人いるんですか?」

「いるだろ。早く素顔を晒して驚かせてやりたいけどな」


王様の恋人に、サーシャはちょっぴり同情した。いきなり王様でしたー!とか言われたらドン引きするんじゃないだろうか。がんばって恋人。


「カルラ国の習慣とか信仰とか多くて、私覚えられるでしょうか」

「ゆっくり覚えていけばいい」


ゆっくり仲間にしてくれるという王様に、サーシャは沈み込んでいた心がちょっとだけ浮上した。

王様は大きな手でためらいなくサーシャの頭を撫でて、また問うた。


「で?大ため息の原因は?」

「いや、何でもないです。王様に話すようなことでもないですから」

「俺に話すことじゃない、か。俺は勝手に線引かれるの嫌い」

「あ、ごめんなさい」

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