キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
王様と星空散歩
ぐんぐん高度を上げて星空に迫って行く。サーシャは王様と握った手をぎゅうぎゅう強く握って、手に縋りついた。レオナルドも王様も、なぜ突然飛び始めるのか。
「お、お、落ちます落ちます王様落ちます!」
「落とすわけないだろ」
サーシャはすっかり王様の腕に両腕をすっかり絡みつけてくっついていたが、王様は何も文句は言わなかった。星空の中に安定して浮かんだサーシャは、王様の腕にしがみついて安全確保して周りを見回した。
「ふわぁー!星、綺麗ですね!」
「空は綺麗なままだからな。俺も気に入ってる」
満天の星が輝いてサーシャの薄紅色の瞳も光って、楽しそうな高い声が響いた。
(サーシャのはしゃいでる顔、好きだな。ため息も可愛いけど、心配になるから……俺の悩みくらい明かすのはわけない)
王様姿のレオナルドは腕にしがみつくサーシャにキスしたい気持ちを抑えながら、くちばしマスクの向こうで口を開き始めた。王様の悩みを、サーシャに話すために星空を散歩し始める。
(こんな話するのは、サーシャだけだけど)