キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャはぺろっと素直に言葉を口にしてしまう。王様がそんなわかりきったことを理解していないはずがない。機嫌を損ねても仕方ないところであったが、王様はふっとマスクの向こうで笑った。
「勝ててしまうんだ。レオナルドがいれば」
「レオさん?」
突然上がってきたレオナルドの名前に、今度はサーシャがきょとんと首を傾げる番だった。王様は王城の上空からどんどん遠ざかって星空を歩き続けた。
「レオナルドはたった一人で、国一つ滅ぼせるほどの力を持ってる」
サーシャは唖然と口を開いてしまった。
(レオさんが強いのは知ってたけど、そこまで?)