キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

サーシャの頭の中に、団長とルテがお口から魔力を流す練習、つまりお食事キッス!をしている図が浮かんだ。


「え!え!えぇえー!!」

「きっかけをありがとう、サーシャ。うまくいったわ」

「えぇええーー!!」


ふふっと妖艶な笑みで口元のえっちなホクロを余計にえっちにするルテが、団長を誘惑する図が浮かんだ。


かわいい部下となったサーシャのために「団長もお食事キッス係できるようになりましょう」と言われて、ルテ様の魅惑の唇に食いついたのだろうか。きっと本望だっただろう。あの煩悩団長め。


「もうすぐ団長が来てくれるわ、サーシャ」


ルテが言うとすぐに救護用テントに団長が現れた。あらかじめ二人で時間を決めてあったようだ。団長が緊張した面持ちでサーシャの前に立つので、サーシャはちょっと笑ってしまった。


ルテの前でサーシャにキスすることに罪悪感なんて抱いているのではないだろうかと伝わってくる眉間の皺に、ルテのこと大好きですねってからかいたくなってしまう。
< 203 / 378 >

この作品をシェア

pagetop