キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
食欲が満たされず取り乱す団長は、レオナルドの肩をがくがく揺さぶった。騎士団「副団長」の任についているレオナルドに、団長は腹ペコの苛立ちをぶつける。
「だから、俺だけ先にビューっと帰って食料持ってくる?って言ってるだろ」
「お前がいない間にこっちが全滅したらどうする気だ!」
「それなー」
騎士団どころか、国で一番、いやこの大陸で一番と言っても過言ではないほど腕が立つレオナルドがいなければ、この騎士団の行軍は成り立たない。八方ふさがりで、げっそりする団長の肩にレオナルドがでかい手をぽんと置いた。
「団長、すでに腹ペコ2日目なのに、王都まであと2週間かかるの知ってた?」
さらに絶望の情報を乗せてくるレオナルドのお綺麗過ぎる顔を見上げて、限界まで取り乱した団長はニパッと歯を見せた。
「ガッハハハハ!絶望的だな!」
「笑っとけ笑っとけ!」
団長、副団長同士で、互いに肩をぱんぱん叩いてどうしようもない飢餓を慰め合う。
そんなカラッカラな笑い声の中、口元ホクロがえっちな癒し手、ルテに癒されたサーシャが勢いよく起き上がった。
「は!ここどこ!?」