キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
恋人のサーシャが浮気をしたと思い込んでいるレオナルドの怒りは上るばかりで、狂気の風がますます団員たちを追い回していた。副団長もうやめて!の声は全くレオナルドに届かない。
こめかみに青い癇癪筋が浮かぶレオナルドの青い瞳は瞳孔が開き、目蓋はぴくぴく細かく痙攣した。
「俺とお前がいつ別れたって聞いてんだよ!!」
「レオさんと私がいつ付き合ったんですか!!」
「え?」
レオナルドと同じ声量でサーシャが言い返すと、やっとレオナルドの目から狂気の怒りが消えた。
「俺ら付き合ってるよな」
「いつから?!」
「俺が惚れたって言っただろ?」
サーシャはレオナルドに初めて惚れたと言われた日を、当然よく覚えていた。軽い挨拶のような「惚れた」に騙されなくて良かったと安堵したあの日、初めて味を知ったあの日だ。
あの状況がどうやって付き合うに発展したというのだろうか。
「レオさんは確かに惚れたって言いましたけど、私は付き合うとか返事した覚えないですよ」
レオナルドもよくよく思い出すが、確かに返事はなかった。だが、俺様レオ様の思考はこうだ。
「返事とかいる?」