キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
副団長と怒涛の口説き
サーシャは耳がおかしくなったかと思いながら、熱くてたまらない耳に手を添わして、この耳がきちんとここについて機能しているか確認してしまった。
また一歩レオナルドの熱が近づくと、逃げたくなったのに体はちっとも動かなかった。
「私、レオさんにフラれましたけど」
「そんなわけないだろ。俺がお前のことフるなんて絶対ない」
やっと色んな誤解が解けてきて、レオナルドが一番聞きたかった「サーシャがフラれた話」にたどり着いた。レオナルドはそんなことした覚えがないので一刀両断だ。
「私が好きって言っても、ただ好きっていつも通り返事されて……」
「お前のこと、いつでも好きだから好きって言ったんだろ。なんか間違ってる?」
サーシャは自分で言っててわからなくなった。恋人だと思っていたサーシャから好きと言われて、好きと素直に返事したレオナルドは確かに何も悪くない。フラれたと勝手に解釈したのはサーシャだった。
「お前に好きって言い過ぎてて、もういつの話かわからないけど」
たしかにこの男はキスしては好き、キスしては可愛いと言い続けていたのをサーシャも知っている。
「俺、今までお前以外の女に好きとか可愛いとか一度も言ったことないからな。そんな言葉使いたいのは、お前だけなんだよ」