キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャは誰にでもスキスキ言っていると決めてかかって、レオナルドからの想いを真摯に受けとっていなかったのは反省点であった。
サーシャの赤い耳にぶ厚い指先がそっとかかって、腰を曲げたレオナルドが耳元で囁く。レオナルドは気の長い方でないので、焦れてきた。
「俺が先走ったのは悪かったけど、もうごちゃごちゃ悩むな。サーシャが俺のこと好きで仕方ないってのは、王様から聞いて知ってるから」
「な!」
「俺の女になるって、早く頷けばいいんだよ」
サーシャがあんぐり口を開けて至近距離のレオナルドを見つめると、ニカッと悪戯顔が炸裂する。
「あ、あのお喋り王様ぁあ!」
耳に囁かれてますます熱が上がってしまうサーシャが、逃げようとするのをレオナルドは逃がさない。手首を握ってその場に押しとどめて上背から見下ろす視線でサーシャを釘付けにする。
「はい、返事は?イエス?はい?嬉しいです大歓喜?どれ?」
「どれもイエスじゃないですか」
「拒否は聞こえない耳だから、どれでもいいけど。おすすめは抱いて?かな」
「過激!」