キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
突然、陣を覆っていた盾魔法が消滅したのだ。
「チッ!!」
大地が割れそうなほど怒りのこもったレオナルドの舌打ちと共に、訓練が始まってしまった。未明に行われると予告されていた、盾魔法消滅訓練だ。
何かが起こり、盾魔法が急に消滅するとその場は一気に毒気に見舞われる。団員たちは早急にくちばしマスクを装着して体勢を立て直し、集合する訓練である。
この訓練は同刻、王都でも行われていた。王都の一般国民は王城へ避難する手はずだ。
サーシャが正式に恋人になる寸前で訓練が開始されたことに、レオナルドは不機嫌を爆発して舌打ちした。
「あーダル……」
「マスクしなきゃですよ!レオさん!」
レオナルドがさっさとくちばしマスクを装着し、サーシャもきちんとくちばしマスクを装着する。
訓練に来ているのだがら、痴話げんかをしている場合ではなかった。だが、俺様王様のレオナルドは気が収まらない。早く訓練を終了して、正式にお付き合いします話の続きが必要だった。