キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャが薄紅色の髪をぶんぶん振り乱して周りを見回す。サーシャは白の肌に黒の瞳、口元のホクロが極めてえっちなルテに釘付けになった。
「元気になって良かったわ」
「ハッ!ものすごい美人さん!もしやここは天国?!」
「私が美女ってわかるなら、頭もしっかりしてるわね」
自覚ある美女ルテがクスリと微笑むと、サーシャは胸がドキッと鳴いて魅了された。
(あ、1回目だ!)
サーシャはついつい胸が鳴く回数を数える。
『同じ相手に胸が3回鳴いたら、それは恋』
亡き母の故郷で、子どもがみんな教えられる恋の始まりの合図だ。
胸が鳴いた回数を数えるのは、母の故郷では若い男女の習慣だという。サーシャは母の故郷がどこかは知らないが、母から教えてもらったこの合図は気に入っいた。
なので、つい、ルテに胸が鳴いた回数をカウントしてしまった。ちなみに元婚約者に胸が鳴いたことは一回もなかった。
「貴女、レオに拾われて運が良かったわ。もう大丈夫よ。安心して」
サーシャを治療した癒し手の美女ルテが、サーシャの命の恩人を紹介してくれる。
「彼が貴女を助けたレオナルドよ」